政府の失敗、続編 government inaction 2003 8 5

 先日、「政府の失敗」ということを書きました。
実は、これには、ほかにも、別の問題点があります。
とりあえず、先日、書いたことを復習します。
 さて、公共事業による景気対策の問題点を検証します。
この政策は、景気が悪い時には、
政府は、借金をしてでも、
公共事業を行ない、
景気回復を図る政策です。
 運よく、景気がよくなれば、税収が増えるので、
財政は、大きな黒字になり、
その黒字で、不況の時に作った借金を返済すればよいと考える政策です。
 不況の時に借金をしても、好況になれば、税収が増えるから、
その増えた税収で、借金を返せばよいと考えるのも安易ですが、
好況になったら、やっぱり、また、新しい公共事業をしてしまい、
結局、政府の借金が減らなかった。
こういう「政府の失敗」が、ここ数十年、続いているのです。
 さて、このほかに、別の問題点があります。
「最近では、税金を納めてない赤字企業が、3分の2以上を占めているとされます。」
日本の法人所得課税には、構造的な欠陥がありました。
それは、課税法人が少ないことです。
 たとえば、バブル経済の時でさえ、
課税法人は、52%だったのです。
つまり、バブル経済の時でも、課税法人は、半分しか、なかったのです。
バブル経済の時でも、全法人の約半分が、課税上の赤字法人だったのです。
これは、非常に大きな構造的な問題です。
 バブル経済の時は、どんな商売をしても、儲かりました。
そうすると、こんなに多くの赤字法人があるとは、おかしいでしょう。
 バブル経済のような好景気でも、課税法人は、52%だったのです。
最近では、税金を納めてない赤字企業が、3分の2を占めているとされます。
要するに、法人所得課税を納めているのは、全法人の3分の1しかないのです。
 サラリーマンは、マイホームのローンなど多額の借金を抱えているので、、
「赤字サラリーマン」として、非課税措置は、当然、あるのでしょうね。
 こういう問題を改善しないで、公共事業による景気対策をやるから、
好況になっても、期待したほど、税収は増えないのです。
 不公平税制は、山ほど、ありました。
景気対策をする前に、不公平税制の是正の方が先です。
 サラリーマンは、好景気でも、不景気でも、
税金に始まって、その他、多くの負担をさせられているでしょう。
 サラリーマンの負担は、増えたと言いますが、
これは、いつまでも、不公平税制を放置したままでいるから、
税収が少なくて困るのです。
 税収が減ったと嘆く前に、
山ほどある、不公平税制の是正をすれば、税収増につながります。
 消費税だって、不公平税制の見本のようなものでした。
先日、書いた「ざる法」を読めば、わかると思います。